めいそうろく

漫画、映画の感想や創作に関するブログです

主人公のキャラに悩んだら「天才」を描こう

正直偉そうなこと言える立場でもないんですけど、一応、初めての持ち込みで月例賞にひっかかった経験と最近の漫画の傾向から、読んでくださる方に有益になることを述べていこうと思います。

天才を生み出そうとすると自然とキャラが立つ

漫画、映画のヒットの要因はやはりキャラです。キャラさえ立っていれば絵が下手でも編集者の目に留まります。しかし、売れるキャラ、好かれるキャラを理屈で考えていこうとすると、個性が弱くなり、あざとさが出てきます。というか、考えすぎると深みにはまり描き出せないということも起こり得ます。なので、自分の思う天才を感覚的・主観的に作り上げましょう。今まで出会った天才的な人をモデルにしたり、歴史上の人物をモデルにしたりしても良いです。ただし、自分の中で納得感のある設定を設けましょう。

読む人にとっては天才でなくても良い

そもそも天才とはどう言う人を指すのでしょうか。頭が良い人でしょうか?では、頭が良い人とはどういう人を指すのでしょうか?勉強のできる人でしょうか?お金をたくさん稼いだ人でしょうか?仕事のできる人でしょうか?おそらく答えは人それぞれ違うものになるでしょう。だからこそ、作者の感性と偏見に基づいた、他人には生み出せないキャラが生まれてくるのです。たとえそれがある人にとっては天才とは言えなかったり、嫌われたりしても、印象に残るキャラは生み出せます。というか、嫌われたり好かれたりすることをキャラが立つというのです。そして突出した能力や個性を生み出したら、おそらく欠点も導き出しやすいはずです。欠点が生み出せたら、ぐっと物語もつくりやすくなります。

大手出版社四社に持ち込みに行った際に教えられた、読まれる王道物語の主人公のポイントは3点

  • 主人公が主体的に動くこと(巻き込まれ型でも)
  • 主人公が物語の始まりと終わりで変化していること
  • 主人公が最後は人に認められること

これが編集者の方々が口をそろえておっしゃる、連載している漫画がアンケートを多く得るる共通点です。天才を描くことを意識すると、この条件がかなり満たしやすくなるはずです。

凡人設定のキャラも結局は天才

天才を意識してキャラづくりをすることをオススメする本質は、個性を突出させることにあり、理屈でなく、体感的・主観的である方が、その目的が果たされやすいのです。なので、「天才」という抽象的な概念を引き合いに出しました。で、世の中には凡人設定の主人公もありますが、フタをあけてみると、自称であったり、突出した優しい性分を持っていたり、ある状況でまわりのモブキャラがしない行動をとっているはずです。日常系では特に凡人でないはずです。でなければ売れません。特に集英社に投稿する際は天才をより意識した方が良いでしょう。ヤングジャンプに持ち込みに行った際にそう教えていただきました。

ちなみに僕が、モーニングの月例賞で期待賞をとった作品が下記のURLのページの「電瞬」という作品です。

http://www.moae.jp/comic/morningzero5/19?_ga=2.92140639.497699542.1580135228-626627440.1527146518

下手くそで見せるのも苦痛ですが、一応、この記事の担保になるように載せます。

この漫画は居合道の開祖、林崎甚助公の生涯を描いた読み切りです。このころは天才を描こうと意識していたわけではありませんが、現代も神様として奉られているような居合いの発明者ですので、結果的に天才を描くことになりました。

もっと具体的にキャラづくりの奥義を学びたい人は、「うしおととら」、「からくりサーカス」で有名な藤田和日郎先生の「読者は読むな」を読みましょう。漫画づくりの心構えから、ストーリー、キャラづくりの秘訣を理論的に明示されています。ていうか単純に読み物として楽しい。

読者ハ読ムナ(笑): いかにして藤田和日郎の新人アシスタントは漫画家になったか (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

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